市長 遠山京香

小学館 Judy Comics)
本屋で全く中身を見ずにタイトル買いした。1巻と3巻の2冊。
華浜市(人口290万人)の市長選において、ベストセラー推理作家・遠山京香が初当選。イラストレイターの夫を持ち、小学5年生の長女・姑との4人暮らし。
無難に市政をこなしながら、推理作家のスキルを生かし、市民(というか主婦)からの投書を読みあさり、なにか問題があると見るやいなや、すぐさま現場に直行。情報が足りないと思いきや、仲良しの主婦友達の噂ネットワークを駆使して、情報を得て、ふだんはただの主婦にしか見えないという利点を生かしての潜入調査が得意。毎日毎日、いろんな問題を解決していくのです!
・・・
まあ、涙が出るほどツッコミどころ満載の作品である。
主な読者層である、主婦のみなさまが、ふだんから思っている不満や不公平感を、具体的な事件にして、それを市長が解決して、読者の皆さんの心を癒すというのが目的であるコミックスであるので、
論理展開に矛盾があったり、主題のすり替えがあったり、市長が政務をほっぽり出して、自分の趣味で顔を突っ込んだ事件の現場取材に行ってしまったりしても、なんの問題もないのである。
・・・たぶん作者さんは、一応、こういう理屈を分かった上で、わざとやっているんだろうけど。
と思いたいんだけど、コミックスの解説やら、カバー裏の一言とか、ひょっとして、本気で思っていることをそのまま書いているのかもなんていう不安がわいてきたりする。本気でそう思ってたら、視野が狭すぎて怖いぞ(笑)
と厳しいことを書いたが、それは私がふつーの独身男性社会人だからであって、この漫画の想定した読者対象でないから、肌に合わないのは当然であって
Judy を読むような方達にとっては、胸がすっとする、かなり良い作品なのではないだろうか。
ただ、爽快感を得るために読んでるんだという割り切りは欲しいのです。この漫画は常に正しいとか思わないでくださいね。まあ、この漫画を楽しく読める人たちは、感情移入してしまって、この漫画が常に正しいと思いたくなってしまうでしょうけど。